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天使のくれた時間・いい顔ポーラー・魔軍襲来

『天使のくれた時間』 主演:ニコラス・ケイジ。
 投資会社の社長として辣腕を振るうジャック・キャンベル(ニコラス・ケイジ)はコンビニで会った黒人キャッシュ(ドン・チードル)に出会い、「俺は何でも手に入れた」と豪語する。キャッシュ(チードル)は彼に「すべては自分がもたらしたことだ」と謎の言葉を残し去る。ジャックが目を覚ますと、13年前に別れた恋人と、二人の子供のいる生活を送っているのに気が付いた。タイヤ売りというブルーカラーを、ニュージャージーという田舎で―――。

 ニコラス・ケイジはあまり好きではないので、流そうと日本語音声で見ていた。不満は山ほどある。パラレル・ワールド物なのに、お約束の「異世界の自分と出会う」ギャグや「別人ではないか、と怪しまれるが誰かの機転、あるいは偶然で救われる」という展開がない。その辺はあっさりと流される。いろいろ不都合があるだろうに、説明もなく、混乱もなく、話は進む。
 ただ、エンディングシーンの美しさだけが心に残った。おそらく空港のレストランで、二人だけで、それはそれは楽しそうに話をしている。青いライティングに、夜の雪。周りのテーブルには、偶然か、気を使ったのか、誰もいない。しかしカメラを引いていくと他の客たちが目に入る、そして絶妙の間で(本当に絶妙!)エンディングテーマ。

 どうやらカットされた部分に、話の不自然さをつなぐシーンがあるらしい。DVDなので見る。どうでもいいシーンもあるが、冒頭ケイトがジャックに本とテープを贈るシーン、ジャックが経営について語り、会長を感心させるシーン、娘がバイオリンの練習をしているシーンは切ってはいけないものを切ってしまったのではないか。2時間、という制約であろうが。
 
 インターネットで解説を検索していると、いろいろわかってきた。「なるほど、こういうところで観客の心を動かそうとしているのだなあ」と。つまり脚本(あるいは原作)がよいのに、監督が悪いという例であろう。
(ケイトが言って欲しい台詞を<"I've never stopped loving you.">ジャックが言えない、というシーンがあるが、それは絶対に伏線を仕込んでおくべきだ。)

 では何を見る映画か。それはほかでもない、ケイト役のテア・レオーニだ! モデル系の冷たい美人というわけではない(だからこそ冒頭、ベッドイン後の女性との対比ができる)。美しい。かわいい。愛くるしい。こんなに親近感をおぼえる美人はいないぞ。
 知的で献身的(ノン・プロフィットの弁護士ですと!)、茶目っ気もあり(チョコレートケーキを独り占めして家の中を逃げ回る)、旦那さんラブ(玄関先でキスして足を絡める!)、夜は娼婦のよう(「11時半からはその時間よ」)、男性にとって理想的過ぎる奥さんである。クリスマスの朝、自分が贈ったプレゼントを「開けて開けて開けて」とベッドの上でぴょんこぴょんこ跳ねる姿は、もうかわいらしくて何も言えない。前述のチョコケーキのシーン、階段でじゃれあうシーンも、心からうらやましい。
(ちなみにこれでtada(ウィンドウズの起動音)が「じゃじゃーん」という意味だと知った。)

 あともう一ついいシーンは、「俺はなんでもできる」(I can figure out everything.)と言うジャックが、パラレルワールドの娘に、「ホットチョコレートの作り方を知っている?」と聞かれて、"I think I can figure it out."と自信なげに言うシーン。「何でも」できるが、子供が喜びそうなことをできない、その矛盾。

 邦題は出色。「ザ・ファミリー・マン」なんて、それは確かに「ビジネス・マン」の反対語だろうが、くだらんタイトルだ。ラトナー監督もそう言っていた。それを「天使のくれた時間」だと? そう決めたのは誰だ。表彰してやろうではないか。名訳。「天使」とは黒人のことだとする見方が一般的だ。だが、引用なのが悔しいが、「天使とは奥さん(テア・レオーニ)のこと」という意見に、心から賛成する。

 この映画の泣き所はもちろんラストシーン、誕生日のビデオを見るシーン、娘が"You are a real dad of mine."と言うシーンなどいろいろあると思いますが、私にとってはケイトが一度激怒した転職・転居を「大切なのはアドレス(住所)じゃないわ、愛しているということだもの」というところです。たぶん皆さんとは違うのだろうなあ。

 英語音声・英語字幕で二度目を見てしまいました。不満はいっぱいあるものの、テア・レオーニ万歳!で一つプラス。

おすすめマークほい! ★★★★

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 なんか映画が長くなってしまった。
 いつものブラックニッカに、炭酸でなく「いい顔ポーラー」が付いてきた。「いい顔」とはニッカのお馴染みのあの顔である。(現在、ホームページに「いい顔ポーラー」の記述はなさそうだ)
 単に細い注ぎ口であるが、これは便利だ。どばどばと多く注いでしまうことがない。お勧め。

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『アルスラーン戦記11 魔軍襲来』 田中芳樹

 6年ぶりの新刊。待っていたよ、本当に。途中でお座成りにすることの多い作者だけに(タイタニア・七都市物語・クラン・灼熱の竜騎兵・自転地球儀世界・…)これもかと思っていた。発売日には、なかった。田舎の秋田では無理もない。数日おいて、発見した。レジに持っていく。
 カバー折り返しに、作者のコメントがある。
「できたぞ、読め!」

 阿呆かと。莫迦かと。書店のリノリウムに思わず叩き付けそうになった。笑いをとりにいく姿勢はわかるが、ここは頭を下げるべきだ。私ならそうする。常識があればそうする。羞恥心があればそうする。
 巨大掲示板のスレッドタイトルは、「読んだぞ、書け!」とあった。

 それが平常の感覚だよねえ。 

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