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230 築地のしきたり 小林充

 図書館より。生活人新書。

 築地魚河岸を愛するジャーナリストの、ノスタルジックな現場報告。廃れゆく風習に寂しさを覚えながら、情に弱いが喧嘩に強い「若い衆」のいなせぶりに喝采を送る。

*ゴム長靴は脂で滑らないことが肝心。「伊藤ウロコ」が男衆に人気。
*マグロを入れる金属ケースをダンベという。石炭や土砂を運ぶ「団平船」が語源か。
*ひろい買い 特定のひいきの店からでなくあちこち見て買うこと
*築地にないのは「墓場と飛行場だけ」。ただし昔は本願寺があったので、地下を掘ると骨が出てくる。「お墓は入る一方で出て行かないから縁起いい」と供養して100万円かかった。
*サバの水煮缶は5年、レトルトのビーフシチューは11年たっても味が変わらなかった
*大手水産メーカー紀文は場外から生まれた
*しくじったスリは半殺しにされて隅田川の岸壁に吊るされた
*「軽子(かるこ)」は差別的だから配達員と呼びましょう、という動きがあるが、流行る気配がない
 いいなあ。土方、人足、こづかいさん、女中、産婆、看護婦、どこが悪いのか。
*玉子の黄身を赤くするにはパプリカをやればよい
*築地の店には真水と海水、二つの水道がある。後者は使い放題(5時から12時まで)なので前者はお茶ぐらいにしか使わない。
*セリは同じ値段を三度言ったら決定(条例。三声で落とす)
*ケータイの普及で、ポケットのいっぱいついたカーゴパンツ(通称ベトナムズボン)やメッシュのベストが人気になっている
*発泡スチロール容器はリサイクルされる。一日に約12トン。文房具やカセットテープ、植木鉢、ハンガーなどプラスティック製品になる

 筆致がむかしのおっちゃん、という感じで適度に脱線し、表現が軽妙で楽しい本。

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