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267 Googleの正体 牧野武文

 図書館より。マイコミ新書。

 刺激的な本である。どうしてグーグルはただでサービスを提供するのか。他の検索サービスを駆逐して何を狙っているのか。この本の前半は探偵小説のようにエキサイティングである。

*消費者の購買倫理は、AIDMAモデルからAISASモデルに変化している。前者は注意attention, 関心interest, 欲求desire, 記憶memory, 行動actionをさす。後者は注意attention, 興味interest, 検索search, 行動action, 共有shareをさす。

 これまでの広告は、テレビや広告など、消費者に注意を喚起するところから始めていた。グーグルは違う。商品を興味を持ち、検索したときにふさわしい広告を示す。頭のいいやり方である。また、共有、すなわちウェブログやレビューページなどで感想を書くことに着目していることも重要だ。

#検索の発火点が低くなる現象は、モバイル利用の大きな特徴とも言える。なぜなら、モバイル時=外出時は時間が余っているからだ。自宅にいるとき、人は時間の余裕があまりない。
 街中に出たら、すべての時間を自分の意志通りに使うわけにはいかない。
 ひとつひとつは数分から10分程度であるが、これは検索をしてみるのにぴったりの長さの時間だ。しかも、検索のネタは街中にあふれている。

#貧困から脱する人が増えるほど、その分先進国の富は目減りしていくことになる。これは世界が均一化して、どの国にも適量の富裕層と貧困層が存在することにほかならないが、先進国の視点から見れば、「貧困の拡散」にしか見えない。

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