255 貧困なる精神 第12集 本多勝一
図書館より。すずさわ文庫。
久々のヒット。図書館の本はドッグイアー(角を折ること)できないので付箋を貼っているが、それが六ヶ所に及んだ。
まずは「宮崎美子さんに迫られる」。このタイトル。対談の題名が「女が迫る」なのでそれをもじったのでしょうが、「迫られちゃったよ、困ったな」という得意ぶりがおかしい。二人の写真がある。宮崎さんの屈託のない表情がいい。
調子に乗っちゃってサービス精神を発揮する。
#(酔っぱらい運転を)私もかつてカケダシ記者のころ札幌でやりましたけどね。ジープで、酒飲んで、ダーッとね。ブレーキの踏み方で、ぐるぐると回るわけね。
その対談の中で「朝日の女性記者」「松井やよりという人」が中国の本を書いた人として紹介される。その頃からいたのですね。
そして名作、「民族と文化」。私は中学校の教科書で読んで衝撃を受けた。飯田高校80周年記念講演。講演は断ることにしている著者が原則を曲げた例。
アラブのホテルで「あなたが間違った番号を言ったのです」、これは忘れられない。
#異民族の蹂躙による悲惨な体験を持った民族ほど、自分の過失を認めたがらない
*「痴的論証の方法」より。渡部昇一は「劣悪な遺伝子があると自覚した人は自発的にそれを残さない努力をすべきことを説いた」。それに激しく反論する。
#表面は「知的」を装うために古今東西から引用して見せるが、その虚飾をはぎとってみると、まさに「痴的で」支離滅裂な正体が、はじらいげもなきヌード姿で出現する。
「日米太平洋横断気球戦争」に「この計画には、じつは筆者もかつて真剣にとりくんだことがある。」 一歩間違えば風船おじさんだったのだ。
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