257 空が青いから白を選んだのです 編・寮美千子
図書館より。長崎出版。副題、奈良少年刑務所詩集。
ひょんなきっかけで女性作家が受刑者の「社会性涵養プログラム」に参加し、詩を書かせることになる。もちろん最初から書けるものではない。まずは童話や詩を読むことから始めた。ただ読むのではない。上着や鉢巻、付け髭を用意して、ロールプレイとして読む。できたらほめる。認められたことなどない子供たちなのだ。
詩集であるが、詩それ自体には価値があるとは言えない。どれもこれも「ふうん」という感想しか残らない。もっと集めればいいのかもしれないが、収集数が少なすぎる、そんな感じがした。それでも、たったひとつ、よい詩があった。
ゆめ
ぼくのゆめは…………
書けないのだ。
それよりも刑務官の方々の努力に頭が下がる。
*「社会性涵養プログラム」は「SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)」「絵画」「童話と詩」からなる。
#いま、日本の刑務所に収容されている人の四十%が、再犯者であるという。
*『おおかみのこがはしってきて』『どんぐりたいかい』『ほしのメリーゴーランド』『すてきなすてきなアップルパイ』『まど・みちお詩集』『金子みすゞ童話集』
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 1571 そろそろタイムマシンで未来へ行けますか? 齊田興哉(2023.05.30)
- 1570 変わる日本語それでも変わらない日本語 塩田雄大(2023.05.26)
- 1569 目玉焼きの丸かじり 東海林さだお(2023.05.25)
- 1568 トキワ荘マンガミュージアム コロナ・ブックス編集部(2023.05.23)
- 1567 調べる技術 小林昌樹(2023.05.19)
コメント