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264 なんとかしてよ、店長さん! 高橋晋

 図書館より。かんき出版。副題、ジャスコ店長とお客さまとの往復書簡集。

 スーパーによくあるご意見掲示板。返事を6000枚も書き続けた店長の話がおもしろくないはずがない。有名な「生協の白石さん」に似たところもあるが、ジャスコと大学生協では緊迫感が違う。

*子供だけでは試食がしにくいです。
→担当者も仕事ですから、お買い上げいただけそうなお客様に気を遣います。それではマル秘作戦を教えます。カゴを持ってお使いのふりをして、一口食べたら「いまいち、別なものにしよう」という顔をするのです。

#ITの本質は、情報交換にかかるコストが限りなく安くなることだ、と言われています。

#食品の苦情があったらタクシーを使ってでもすぐに飛んでいく。返金(レシート不要)、交換、両方の準備をする。「刺身が腐っている」という苦情を受けたら、「ちょっと失礼します」とぱくりと食べる。「そう言えば繊度が落ちていますね。もう一尾食べてみます」と言うとお客様も「大丈夫ですか」という気持ちになる。(証拠隠滅と誤解されることもあるので、たくさん残っているときに限る) 店員が「これは臭い」などと言ったらお客様の怒りは倍増する。

*サッカーをしていた店員より。お客様が焼き鳥の本数をごまかしました。どうすればいいですか。
→疑わしきは罰せずです。サッカーが気付いたらチェッカーも気付くべきです。「何本ですね」と確認すべきです。あまりひどいときは、プロとしてはその焼き鳥のパックを落としてしまい、新しいものと交換する、という作戦をとります。

#世の中というものは、自分が行動すれば必ず反応がある。自分の働きかけがルールに則っていれば、よい反応があり、逆の時は悪い結果に結びつくものである。

 このプロの対応。「それは無理だ」とすぐに諦めたり切り捨てたりしないで、真剣に考える。意見が対立した時は無理に結論を出さず、「もう少し考えさせてください」と時を待つ。素晴らしい本、素晴らしい店長である。
 ちなみに秋田土崎港店とは私がよく行った店である。そんなドラマがあったのか。

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