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260 夢をつなぐ 山崎直子

 図書館より。角川書店。副題、山崎直子の四〇八八日。

 女性宇宙飛行士、山崎直子さんの自伝である。奇をてらわず、ストレートに自分の思いを原稿用紙にぶつけたらこんな素晴らしい本ができるのであろう。たぶん原稿用紙は使っていないが。

 宇宙飛行士を目指した理由、女性教師クリスタさんが搭乗していたチャレンジャー爆発事故、つくばやNASA、ロシアでの訓練、コロンビアの悲劇、そして宇宙へ。夫と離婚調停に踏み切ったことまで書いてあるが、そこまで書くことは決して楽な作業ではなかったであろう。

 読書感想文コンクール課題図書。

#三十代の働き盛りに職を手放すということは、とてつもない辛さなのだと思う。辛い訓練は何ですか、と私はよく訊かれるが、一番辛いのはサバイバル訓練ではない。訓練したくても事故や諸々の事情で訓練できないときだった。〈旦那は宇宙関係の仕事をしており、宇宙船の管制官になるのが夢だった。それを諦めた。〉

*著者はT-38(タロン)の訓練が大好き

*山崎直子さんは英検準一級
#〈英語の訓練のために〉野口聡一宇宙飛行士は、飛行機の中にテープレコーダーを持ち込んで、交信を全部録音して後で聞きなおしたり、トランシーバーで無線を聞いたりして自主訓練を行ったそうだ。またドイツ人の奥さんがいらっしゃる若田光一宇宙飛行士も、訓練クラスの初日に記者から英語でインタビューを受けたときは、さすがに辛いと感じたそうだ。

*〈父親は自衛官、という前振りがずっと前にあって〉スペースシャトル打ち上げ時に火災などの重大なトラブルが生じた場合、クルーは発射台から緊急避難用のかごで地上まで降り、そこから軍隊で使うM-113という装甲兵員輸送車に乗って射場から遠くへ逃げる。
(この私が、装甲車を運転するのか……)
 自衛官出身の父が見たら、びっくりするだろう。

*シャトルに乗る前直前に、オレンジスーツを着て、クルー全員でポーカーをする。それがNASAの伝統。

*「瑠璃色の地球」で目覚めた日、夫と娘が管制室の近くに来ていた。交信が終わったあと、サプライズがあった。管制室の人間が一斉に立ち上がり、ガラス越しに二人の方を向き、笑顔で拍手をした。
 なんていい話なんだ。みんなにしていることかもしれないが。

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