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はやぶさHAYABUSA

映画『はやぶさ/HAYABUSA』公式サイト 10.1 ROADSHOW

 小惑星探査機はやぶさを映画化してくれたことに、最大限の敬意を払う。しょせん一部のマニアがネットで盛り上がっていただけの話だ。こうやって映画化されれば、それは国民的な存在になる。そういう意味で、序盤糸川先生について詳しくかつ敬意を払って説明した点は評価してもしすぎることはない。
 また、これを私は封切日、10月1日に見た。映画の日で料金が1,000円という幸運に恵まれたが、さらに着席後係員がA5クリアケースを配りに来た(小さい)。的川先生、川口先生、國中先生、矢野先生、齋藤先生のコメントが載っている。これは貴重品である。

(以下、内容に関わる記述があります。まだ見ていない方はご遠慮ください。)

 途中、職員が亡くなるプロットがある。これは木村雅文さんのことだ。レクイエム。

 終盤、モブの中に橋本樹明先生らしき人を見かけた。ファンとしてはあのフランケンシュタインのような巨体を見逃すわけにはいかない。エンディングスタッフロールを見たら、他にも研究者や天文ジャーナリストがカメオしているようですね。

 NECの太った人の、「コマンド送ります、2、1、0、はい、送信しました」が心に残る。

 しかし。
 これを映画として見ておもしろいか、と言われたら困ってしまう。映画館に行く前、そして打ち上げシーンまでは「はやぶさ」の映画を見ている喜びで全身いっぱいだった。「最後は泣いてしまうんだろうなあ」と号泣の準備をしていた。

 つまらない。

 もちろん「これは事実と違う」なんてマニア的な批評はしない。例えば川口先生のシャツやリポビタンDなど小道具は満載である。はやぶさをロケットに封じた矢野先生の台詞にはにやりとさせられる。

 それでも。

1)主人公水沢の心の動きがわからない。初対面の人間(的川先生)に名乗らず自説を述べ、ろくに挨拶もできない主人公が研究者として成長していく、という筋書きはよい。英語の論文を二つのタイポ(誤植)だけで三日間で訳しきってしまう才能。つまり内容は完全に把握しているということだ。宇宙は好きだが、古本屋と出荷場でアルバイトしていた人が突然ジャクサで働くように勧められる。しかもあの憧れの的川先生から。こんなシンデレラ・ストーリーはないよ。そんなラッキーな主人公がなぜ天文学者としての自分に悩むのだ。博論に落ちた、なんて一度や二度当たり前でしょう。早世した兄のために天文の道に進むのは駄目だと齋藤先生に言われ、母親に「自分のためにがんばれ」と言われる。そして夢ですばるや馬頭星雲を巡る主人公。なんだこのファンタジー。最後の演説も唐突。

2)クロス運転が盛り上がらない。
川口: エンジンAとBをつなげたクロス運転をしよう。
國中: AとB、ふたつのエンジンがつながっていないと駄目です。※
國中: こういうこともあろうかと(略)

 出発前につなげておいた國中先生が※の発言をなぜするのか。映画的にはこうでないと盛り上がらないはずだ。

主人公: あのー、エンジンAとBをつなげればいいのではないでしょうか。
川口: AとBはつながっていない。そういう設計にはなっていない。無理だ。
國中: 待ってください。そういうこともあろうかと(略)

3)再突入シーン。
 はやぶさが大気圏に突入し、燃える姿。どう見てもこれで泣くはずだった。ハンカチを用意していた。いやむしろ私は「妻子が隣にいても構わん、思い切り泣くぞ」と気合を入れていた。HBBTE帰還バージョンが期待外れだっただけに、燃えていくはやぶさはそれだけで見る価値があった。
 ところが。見上げる竹内結子の顔。いらん。今は崩壊していくはやぶさを見守りたいのだ。安っぽいセットで上を見ている竹内の顔は、もう一度言うが、いらん。
 さらにサプライズのつもりか齋藤先生が糸川先生の「失敗でなくて成果」の話をする。今ここでするか? 和歌山大のように「おかえりー」と叫ぶべきではなかったのか。

4)川口冬彦。
 鬼の川口(阪本先生談)のはずだが、どうも優柔不断だ。一回目の着陸が終わってほっととしているときに「もう一回行くぞ!」と気合を入れたはずなのに。近寄りがたい鬼の川口だから中和神社のエピソードも生きるはず。
 ポットのシーンも、あれではわからない。それこそ主人公に
「川口先生、何しているんですか」
「今は人が集まらなくなっているが、ポットにお湯がなかったら、『プロマネも諦めた』と思われてしまうじゃないか」
 くらい言わせないと。

5)「救えないことは、わかっている」
 はやぶさの最大の悲劇性は、本来ならカプセルを投下したあと「気ままな旅に出る」はずが、ガスジェットの故障で本体もろとも大気圏に突入することにある。
 どうしてそれに一言も触れていないのだ。

6) 音楽。
 泣かせるときはピアノ。その単純な考え。もう少しストリングスを使って欲しかった。

7) ギャグ。
 カンガルーのギャグはいらないよ。そもそも袖に「取るな」ってワッペンがある。山田先生のキャラはよかったよ。

8) 冒険日誌。
 あれだけ必死に描いていた冒険日誌は完成の日の目を見ない。エンディングで流されるだけである。始めにイオンエンジンの説明で失敗してしまった子供に、あげて喜ばれないと。

おすすめマークほい! ★★

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映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

こんばんは☆
おひさしぶりです♪♪

『はやぶさ』早速早速
ご覧になられたのですねぇ~!

で、印象を伺えれば~
なのですけど
小学生の子でも
理解出来そう&楽しめそうですか?
何年生以上ならよさそうでしょう。

もちろん個人差ありますけど
平均的な感じで結構ですので。
参考にさせて頂きたく
お願いに参りました♪

投稿: りね&チャミー | 2011.10.02 22:38

うちは小学校1年生を連れて行きました。「イカロスの大冒険」なんて本を読ませて事前準備をして。

それでも途中で「つまらない~」の連続。がんばって最後の再突入シーンは身を乗り出して見ていました。
人間ドラマの部分が難しいのですね。

小学生高学年からでしょうか。
参考になるかどうか。

投稿: パトリック | 2011.10.03 06:27

お返事どうもありがとうございました☆
(泊まりで出ていて
お礼遅くなりすみません。)

やっぱり、高学年以上が
良さそうなんですねぇ♪♪

私は、映画館ではお手洗いが心配なので(アセアセ)
TV放映かDVDレンタルで
観たいと思います☆

寒くなって参りましたが
どうぞお元気に
お過ごしくださいませ☆

投稿: りね | 2011.10.06 21:43

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