285 誰だってズルしたい! 東海林さだお
文春文庫。表紙はお高そうな着物女性。
「現地ものの松井を見たい!」が傑作。ニューヨーク見聞録だが、東海林さんの関心を持ったものだけが語られていく。
#ビールはどんなふうに売りに来るのか。
#日本だと「ビールいかーすかー」だが、いかーすかーのところは英語だとどんな言い方になるのか。
その答えは挿絵でも明かされる。
表題作の一つ、「世の中はズルの壁でできている」より。
#女性の化粧もズルである。
#もしかしたら大ズルかもしれない。
#もともと大したものではないものを、さも大したもののように仕立てあげて人様にお見せするというのは明らかにズルである。
#もしかしたら犯罪かもしれない。
ここだけ抜き出すと女性は怒るかもしれないが、流れがあってその他にもいろいろ槍玉に挙げられていますので誤解なきよう。
巻末にはなんと土屋との対談がある。ユーモア文章の方法論について、東海林さんはメモしてきた。酒屋の割引券の裏に。
*擬人化 誇張 駄洒落 言葉の短縮化 比喩 馴染まない言葉 パスカル
言葉の短縮化は、おそらく、「食べ放題チャンプ」を「ホーチャン」という手であろう。馴染まない言葉は、「食堂のトレーを運輸して」という例を出している。パスカルは、偉人の名を引いて「パスカルが言いました」と無責任に言ってそのままというもの。
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