289 人間は考えるFになる 土屋賢二・森博嗣
図書館より。講談社。
お笑い哲学者、土屋先生と(たぶん)ミステリィ作家で工学部准教授、森先生の対談本。
たぶん、とつけたのは疑問でなくて私が森先生を知らないから。そのため対談はさっぱり面白くない。土屋賢二が必死でボケているのに森博嗣は当たり前のことを返すだけ。初対面なのかもしれない。
本の中盤からお互い慣れた雰囲気。4章の「趣味は工作、コンピュータ」は私の趣味もあるが、興味を持って読める。土屋賢二がラジオ工作やMS-DOSにはまっていた。森博嗣は高校時代電波科学研究部に入っていた。
巻末にそれぞれの短編小説が載っている。土屋賢二の「消えたボールペンの謎」は、今までの窮屈な空気から逃れてのびのびとしている。
森博嗣はエンジニアらしく長音表記にこだわりがあり、「マイナ メジャ ドクタ エッセィ レジャ ホビィ スーパカレシ ナンバ」と書いている。しかし「エッセィ」は違うと思うぞ。
*子供の科学の立体配線図にはまちがいがある。
#あの図は十枚中八枚は間違ってるんじゃないかな。
#どうしてかというと、イラストレータが描いてるからなんです。できあがったものを見ながら写すのですが、専門外だから間違えるんです。(略・作るときは)回路図で部品を確認するようになってからミスをしなくなりましたよ。(ここまで森)
#ぼくは自分には才能がないんだと思ってました。子供の頃から疑うことを知らない謙虚な子でした。(土屋)
*男の子に人形を買ってやると、次々同じ人形が欲しくなる。ウルトラマンをもらうとウルトラマンタロウが欲しくなる。女の子は違う。人形をもらうと、人形の家、椅子、など環境を整えて小さな社会をつくろうとする。(森)
男性の収集癖、女性の家・付き合いを守る本能かもしれない。
#友達と趣味って、役に立っちゃいけない気がしません?(土屋)
#役に立つ友達というのはいないです。(森)
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