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307 貧困なる精神 第16集 本多勝一

 図書館より。すずさわ書店。

#(本多)キツネも増えたんじゃありませんか。
#(武田津実)キツネはあるところから別のところに動くのに、ブッシュの間を通ることが多いんです。ところが防風林が縮小され、原野や雑木林もなくなってきた。しかたなく、畑や道路を通るようになって、姿を見せやすくなっただけですね。

#(高橋和之)風は雪より始末が悪いんです。人間、動けない。
 これはものすごい説得力をもつ名言。

#(三留理男)(略)かつて問題になったのは洞爺丸ですよ。先生が引き揚げたら何人か助けられたのにシャッター切ったといってね。(略・自分だったら)実際、その現場にいたら、相手が助かるなら写真撮りませんよ。何のため写真やっているのかわからなくなりますからね。

#食事のあと、別棟にある鉱泉に行った。広々とした浴場に一人ごきげんではいろうとしたら、猛烈な熱さでどうにもならない。もともと猫舌のぬる湯ずきだ。そばのドラム缶に氷のような冷水がパイプで引かれてきているので、バケツで徹底的にうめた。

*追悼登山で深夜、足音がする。三日目、一人がそれを口にしたら、もう一人も自分の錯覚ではなかったのかと告白した。下山して犠牲者のお母さんに電話したら、お母さんは声を上げて泣いた。
#もう山なんか見るのもいやだと思っていたし、息子には幽霊になってでも出てきてほしいと思っていた。「やはり八ヶ岳まで行かんと子供には会えないんでっしゃろか」

 「にせユダヤ人」や田中角栄の話はさらりと読み流した。終盤、素人を冬山に連れていったこれも素人リーダーによって引き起こされた山岳事故の悲劇のルポは、山男である本多勝一の面目躍如だ。

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