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334 この世で一番大事な「カネ」の話 西原理恵子

 図書館より。理論社ヤングアダルト新書。

 カネの話を書いていたら、赤裸々な自叙伝ができたでござる。
 高知の港町の平和な暮らし。母が再婚して引っ越した工業団地の荒んだ暮らし。優しくも金銭にだらしない新しい父親。そして。

 今まで漫画から断片的に見えてきた過去、これまで語らなかった悲しい事件をどうしてこうも素直に語れるのか。著者の太っ腹とシリーズのカラーであろうか。

#子どもたちはそれこそ「茶碗をひっくり返した」とか「みそ汁をこぼした」とか、子供の毎日につきものの、そういうささいな失敗で殴られていた。
#そんなのひどい、まちがってる、本当にそうだと思う。

#人は将来に希望が見えなくなると、自分のことをちゃんと大事にしてあげることさえできなくなってしまう。やぶれかぶれで刹那的な楽しさを追い求めるうち、モラルをなくしてしまう。

#白状すると、高知にいたころは、自分のこと、ビジンだって思ってたのよ。

*美術予備校では課題が上手な順に貼り出された。著者の作品は、最下位だった。

#「うわ。この絵で売り込みとかしてるわけ? ……キミ、いい度胸してるねえ」
#「ありがとうございますっ」

#(エロ本のカットで頼まれてもいないツッコミを書き込んだら)「よく読んでるねえ! 味気ない挿し絵じゃなくて、ちゃんと自分の書いた原稿のあげあしをとってくれてる。おもしろかったよ。キミは、きっとカットマンとして食べていけるよ。」
#(略)自分がちょっとだけ一人前になれたような気がして、その日は一日中嬉しい気持ちになった。

#酔って狂ったことをすれば、そのほうがエライ。
#そういう高知の気風のことを、「酔狂」という。これは確実に、私の漫画に影響を与えていると思う。(略)バカなことしてはじけて、なんぼ!

#「才能」って、人から教えられるもんだって。
#いい仕事をすれば、それがまた次の仕事につながって、その繰り返し。ときには自分でも意識的に方向転換をしながら、とにかく足を止めないってことが大事。

#私が師匠(銀玉親方)に教わったのは、まず「負けてもちゃんと笑っていること」。これはギャンブルのマナーの、基本中の基本。

#自分が稼いだこの「カネ」は、誰かに喜んでもらえたことの報酬なんだ。
#そう実感することができたら、それはきっと一生の仕事にだって、できると思う。

#考えることを諦めてしまうだなんて、人が人であることを諦めてしまうにも、等しい。

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