384 障害者とスポーツ 髙橋明
図書館より。岩波新書。
ロンドン・パラリンピック記念に借りてみた。著者は大阪の障害者スポーツセンター勤務や車椅子バスケットボールの総監督など、この道のベテラン。
Ⅳ章「心の葛藤を乗り越えて……」をぜひ読んで欲しい。もしあなたが、明日障害者になったらどうしますか? 障害者になった絶望。自殺しようと這って屋上に辿り着いた。そこから思いとどまり、スポーツが生きる支えになった人達。この章は涙なくしては読めない。
*握力が弱い人や手指切断の人たちが投げやすいようにボウリングのボールに取っ手がついている。
どうやって転がるのであろう。
*バスケットボール用の車椅子は、車輪が傾いてハの字になっている。回転しやすいし、ぶつかっても手を挟まない。
*ある全盲の人がイギリス旅行をした。声をかけられて空いた席を教えてもらった。そのうち車内が混んできた。先ほどの人から、「お年寄りが乗ってきたので席を替わって」と立つように言われた。その人は「障害のない人と同じ扱いを受けた」と喜んだ。
*赤信号を渡って障害になった人より、青信号を渡って障害になった人の方が、立ち直りが遅い。前者は自分が悪かったと反省できる。後者は暴走車への恨みつらみを忘れられない。
*「パラリンピック」とは「対麻痺者」を意味するパラプレイジア(paraplegia)から来たが、定着しなかった。後に「平行」「もう一つの」を表すパラレル(parallel)が使われるようになった。
*上りのエスカレーターだけがある場合があるが、松葉杖を使っている人にとっては下りる方が大変。「上りはしんどいけれど下りは怖い」
*「車椅子とメガネは一緒。義足とメガネは一緒。」
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