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396 僕の妻はエイリアン 泉流星

 図書館より。新潮社。副題、「高機能自閉症」との不思議な結婚生活。

 まず本のコンセプトがおかしい。アラウンドフォーでアスペルガーの妻が世間に適応しようと努力する姿を夫が見つめるノンフィクション。
 あとは私事になってしまうが、この本を読み進めるたびに「自分も高機能自閉症ではないか」と疑心暗鬼。物事にこだわりを持つ、カタログや業界雑誌を読むのが好き、スケジュールを決めてそのとおりに動くのが好き……。
 実は叙述トリックがあってそれはあとがきで明かされる。私は途中であとがきを見て「見なければよかった」と後悔しました。(あとがきがなければ読後感が爽やかだったのに!)

*不安や緊張を和らげるためにぴょんぴょん跳ねる

*人と話すときはその人の方を向く、ということを知らない。
#「だって、声はどっち向いてもちゃんと聞こえるよ?」

#レンズのF値について話が通じる女性なんて初めてだった。

#「すぐ怒るし、細かい言葉の意味にものすごくこだわるし、人の言い間違いをいちいち直す悪い癖もあるし、夫、がっかりした?」(夫とはここでの二人称)

#(アル中で体調が悪くて)何かひどく恐ろしいことが自分に起きているのはわかっていた。だから病院に行くのが怖くてお酒を飲んだ、という返事が返ってきた。

#妻の耳は音楽のほかにも、周囲の人の話の内容から、店内放送の一言一句、どこかで子どもが買ってほしいと騒いでいるおやつの商品名まで、ありとあらゆる無意味な雑音も拾っている。(略)時にはただ近所に買い物に行っただけで、ぐったり疲れてしまうこともある。

#「好奇心はすべてにまさる。」

#「奥さんに家でおいしいもん作ってもらいたかったら、まずはいっぱいおいしいもん食べさせてあげることだよ」

#いったん(他人の気持ちなどの)読み取り能力を習得してしまうと、僕らはまったく意識しなくてもそれを使うことができるので、普段はそんな能力があることさえ忘れている。ところが妻のように、こうした能力の一部がうまく発達しない場合もある。これを、「発達障害」と呼ぶっていうわけだ。

 

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