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394 ブルックリン・フォリーズ ポール・オースター

 図書館より。新潮社。

 病気で生きる気力を失った主人公ネイサンと、ぐずな甥トムと、一癖ある古本屋店主ハリーの三人のコメディ。知的な街ブルックリンを舞台に、三人が生と死のスラップスティックを繰り広げるところは、『ムーンパレス』を思い起こさせる(勢いで再読してしまった)。
 ポールさんもいい年だろうに、性欲が強いこと。

#「子供ってのは、すべてのことに対する慰めだ――子供をもつこと以外の」

 オースター・コメディはうまくいきそうな期待が盛り上がると悲惨な目に遭う。トラブルを回避して「よし!」と思うと別の障害が起きる。一難去ってまた一難でドラマを作るのだ。
#「ハニーと僕とで精一杯頑張って、とにかくこれ以上の混乱だけは避けたいのに。これ以上ドラマはいりません。もう沢山です」
 登場人物がこう言うからおかしい。メタフィクションか。

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