397 ホペイロの憂鬱 井上尚登
図書館より。東京創元社。副題、JFL篇。
久しぶりにライトノベルを読んだわ。
ホペイロ-roupeiro-とはサッカーの用具係のことである。英語ではrepairか(推測)。
「憂鬱」という言葉から、愚痴半分の業界裏話かと思ったが、なんとフィクションであった。しかも冴えない雑用係があれこれ押し付けられながら謎を解決する、というミステリだ。
元代表のベテラン、元気な若者、チャラ男、キツ目の美人、かわいいアルバイト、と類型的なキャラクターばかりだが、それだけに安心して読める。
#スパイクの泥を落とし、ミンクオイルをスパイクに塗りこむ。
#(略)革製のスパイクによくなじみ、やわらかさを保ってくれる魔法のオイルで、実は人間の肌にもいいという話もある。そういえば、水仕事だって多いのにミンクオイルを使っているせいか、僕の手はすべすべしている。
#野球が好きなのは別にいいのだが、ほかのスポーツをけなして何が楽しいのだろう。ぼくは数年前の某野球監督が言った「こっちはTシャツと短パンでできる甘いスポーツやないんや」という言葉を思い出した。(略)そんなことを言う人間がなぜか五輪の野球日本代表に就任し、もてはやされていたのだから、この国のスポーツはどうなっているのだろう?
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