405 疑え、常識。 川口淳一郎
図書館より。KKベストセラーズ。
小惑星探査機はやぶさのプロジェクトマネージャーが既存の価値観にノーを出し続ける。三人の聞き手との座談会形式で、まず参加者に意見を言わせてそれにダメ出しをするという話法が続き、著者が嫌な人に見えてくるという恐ろしい構造。
聞き手三人の個性も見えず、三人もいるのであったら一人女性を加えればよかったかもしれない。
写真も過去の授賞式のもので、見たことがあるものばかり。サービス精神があればよかった。
*最適化の一つに「ミニマックス」がある。「一番コストがかかっているものを最小限に抑えよう」という作業。
*変人とは、不可能な理由ではなく、”可能な理由”を探す人のこと。手すりのない橋でも渡る。
*議論は3回繰り返したら終わりにしろ
*DASH(大気圏再突入計画)はケーブルの結線の間違いで失敗した。確認もしないで「試験した」と判を押したエンジニアがいた。みんなすごい努力をして体制を組んでやっていたのに、つまらないミスが原因で全滅になってしまった。
*「加速器で国を守れるのか」と反対されたが、「加速器で国を守ることはできないかもしれない。しかし、守るべき価値のある国を作ることができる」(フェルミ研究所、ロバート・ラスパン・ウィルソン)
*地球という天体がつくられたとき、S型小惑星とともにC型小惑星が混ざったのではないか。
*初代「はやぶさ」が示した最大の成果は、国民と世界に対して「日本は単なる製造の国ではなく、創造できる国なのだ」という自信と希望を具体的に呈示したことだ
呈示でなくて提示ではないか。
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