427 なぜヤギは、車好きなのか? 小林朋道
図書館より。朝日新聞出版。副題、鳥取環境大学のヤギの動物行動学。
築地書館から出ている「先生」シリーズの番外編。ヤギコ、シバコ、ミルク、クルミ、コハル、コユキと実験でお馴染みのヤギだけに焦点を当てた一冊。
ヤギはそれぞれ別の場所から連れられてくるわけで、その出会いが楽しい。休んでいる女王ヤギコに「遊ぼう」と前足でちょっかいを出すシバコの写真が愛くるしい。
#一般に、草食動物は、視野が頭の後ろのほうまでカバーできるくらい広くなるように、目が顔の両側に位置しており、網膜へ達する光の取り込み口である瞳孔も横長で、これも視野を広くしている。
#(研究者にとって経験でわかっていることでも)それを、だれにでも納得できるような実験結果とともに示すのが科学である。
*ヤギは食べ物を目で探し、天敵のヘビを匂いで感じ取る。視覚は遠くまで達するし、ヘビは見つからぬようこっそり接近するからだ。
#爬虫類と哺乳類の共通の祖先から哺乳類が誕生するとき、哺乳類は、それまでの祖先が持っていた”色の感知を可能にする物質”を失ったというわけである。
*最初に誕生しいた哺乳類が、完全な夜行性だったからではないか
*昼間活動する哺乳類は、”色の感知を可能にする物質”を再び生産するようになった
#ヤギコも、自分たち(幼稚園児)と同じ”気持ち”を持った生き物である
本書出版わずか2ヶ月前、ヤギコは死んだ。もう登場しないのかと思うと寂しい。
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