430 生きる悪知恵 西原理恵子
図書館より。文藝春秋。副題、正しくないけど役に立つ60のヒント。
大絶賛。1章は仕事編で、ふんふんと頷きながらドッグイアー代わりの付箋を貼っていた。図書館の本は折れない。
2章は家族編。著者の家庭環境の複雑なことは定評がある。これが爽快。人間関係に正解はない。だから嘘も方便。すべてのページに付箋を貼りそうになった。
さらにすごいのは、著者の裏読み力だ。書いていないことを見たかのように言い当てる。当たったかどうかはわからないが、きっと当たっている。例えばこうだ。
*子持ちの同僚がよく休むので子無しの自分にしわ寄せが来る。子供がいるから仕方がないとは言え、モヤモヤする。
そして回答はこうだ。
#この「育児中の同期」の人は、子供がいてもいなくても同じようなことすると思うんだよね。あなたの隙を見つけては仕事を押し付ける、そういうタイプじゃないかな。(略)子供がいなくても独身でも、ずるい人はずるいんだよ。
ね、すごい洞察力。「あんたの本当の問題はさ」というわけだ。
*夫が浮気しているようです。夫の入浴中にメールを見たら、女からの親しげな文面でした。
*まず夫だろうが誰だろうが、他人のメールをチェックするというのが私には信じられないなー。「それをやっちゃうんなら、もう一緒にいないほうがよくない?」みたいな。
#家の隣の角地が空いたもんだから、ついオセロのクセで角取りに行っちゃったんだよね。
#義母からの「早く子供を」とのプレッシャーがつらいです。
#そのうち死ぬから、放っておけ。
#小6の娘が好きな男の家に入りびたりで心配です。
*これはダメです。ヤリ◯◯階段上ってます。
#いや、別に男女間でどうこうじゃなくても、親のいない家に子供がいるってのは、火遊びで火事になったりとか、いろんな事故があるんで危険。あと、大人がいない家に上がり込むのは泥棒のすること、って私は教わりました。
#女の人(の怒り)ってポイントカード制だから
*ホント不思議なんだけど、あんなに好きだった人が、ある日、急に路傍の石になってしまうという。「何だっけ、コレ?」みたいな。バッグと一緒ですね。すっごいお気に入りだったのに、新しいバッグ買ったらいらなくなっちゃうの。
だから女はいつも手提げを欲しがるのか。
*別れた彼女の部屋に、腕時計やゲームなどを置いていたら捨てられた。こっちからは宅配便で送ってやったのに。
#よかったじゃないですか、物を捨てられたぐらいで済んで。これで結婚して子供でもいた日には大変ですよ。可愛い娘や息子を人質に取られて、「カネくれ、カネくれ」って言われて、そのうえ子供にまでずーっと悪口を吹きこまれてる人、いっぱいいますからね。
そしてとどめ。
#上手なウソは人生の通行手形
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