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494 旬の魚はなぜうまい 岩井保

 図書館より。岩波新書。

 久しぶりの岩波。娯楽要素など一切ない。一度読んだだけでは理解できず、自分の頭の固さを嘆いてしまう。

 書名は「さおだけ屋」方式で、旬ばかり語っているわけではない。マグロ、ウナギ、サメ、アユ、ニシンなど食用魚のあれこれを徹底的な科学的データで詳述する。旨い魚を探そう、という目論見は崩れる。

*アユの香りは水あかに直接由来するものではない。藻類を食べず甲殻類を主食とするキュウリウオも似た香りを発する。体内でノナディナールやノネナールが作られて香りとなる。

*サメは延縄漁業で針にかかったマグロを食い荒らす。サメが延縄にかかると、漁船員は怒りを込めて叩きのめす。

*フグの隠語を「てっぽう」というが、「てっさ(ふぐ刺し)」「てっちり」はその略語を含む。

*フグ毒の起源は海洋細菌にある。フグは、海洋細菌が産生した毒を、デトリタス、小動物、というように、食物連鎖を通して取り入れる。
 デトリタスは生物の遺体や排泄物からなる微粒子、またはそれに付着する微生物群のこと。だから養殖されたフグは毒を持たないのか。

*EPA(エイコサペンタエン酸)は血栓性疾患の予防に効果があるが、それが明らかになったのは、グリーンランドの先住民を調査した結果から。魚をよく食べる彼らの血液にはEPAが多く、動脈硬化を抑制する。
*DHAは脳や神経系の働きをよくすると言われている。これが不足すると、ブリの子魚は群れを作ることができない。

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