596 まんがで読破 アンナ・カレーニナ トルストイ
図書館より。イースト・プレス。漫画、バラエティ・アートワークス。
たまたま駅で出会ってしまったアンナ・カレーニナとヴロンスキー青年、そしてアンナの義理の妹のキティとそれに恋する地方貴族リョーヴィンの二組の愛を縦糸に、そして封建制度と社交界の柵を横糸に描いたトルストイの名作。……言わずもがな。
キャラクターの描き分けがいい。黒髪前髪パッツンの気高いアンナ、若々しい長髪のキティ、容姿端麗で血気にはやるヴロンスキー、努力家だがもっさりしたリョーヴィン。
アンナがしていることは不倫である。世間体を気にするカレーニン伯爵。アンナは愛人との愛と一人息子のいる家庭の板挟みに合う。ヴロンスキーは若くて後先を考えない。ドラマでは二人は首尾よく新しい生活を始まるものだが、この二人はすれ違い始める。
#しかし二人の間にはしだいに亀裂が生じはじめていたのであった
それを、尺が足らないからとナレーションで解説しては駄目である。すれ違いを「演技」で見せるのが漫画家の腕前ではないのか。漫画の醍醐味ではないのか。
絵柄はきれいなのだが、漫画の醍醐味をわかっていないのは残念至極である。
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