601 あした死ぬかもよ? ひすいこたろう
図書館より。ディスカヴァー・トゥエンティワン。副題、人生最後の日に笑って死ねる27の質問。
副題通り、充実した人生を送るための自己啓発本。
私事ながら、子供の頃から「自分が死んだらどうなるんだろう」「自分が死ぬときはどんな気持ちになるんだろう」と考えだすと怖くて仕方がない。「死ぬ瞬間に何が起きるか興味があるね」とは誰の言葉であったろう。そこまで達観できない。
死は生にセットされたものであり、不可避である。そこから目を背けている人にまず直視させ、価値観を変えることが本書の主眼。
いちばん胸を打たれたのはこんなくだり。「これだけは失いたくないものベスト5は? 僕は家族と友達と、書くという仕事と…」と読者に考えさせておく。ページをめくると「あなたは死ぬ日にそのすべてを失います」と大書。
*坂本龍馬は船が沈められたとき衝突相手の紀州藩から賠償金をせしめた。賠償金は岩崎弥太郎が引き継ぎ、三菱グループが生まれ、キリンビールが誕生した。キリンのキャラクターデザインは、頭は「龍」で足は「馬」。
#やれる可能性があるやつが努力しないのを見ると胸ぐらつかんで「俺と代われ」と言いたくなる。
23歳で白血病で亡くなった悠季くん。
*流れ星に願い事を言うと叶うというのは、流れ星が流れるその一瞬にちゃんと言えるだけ願いが明確になっているということ。
#人が死んだあとに残るのは、集めたものではなく、与えたものである。
ジェラール・シャンデリ。
*人生では絶対に自分では起こせない奇跡がある。あなたが生まれてくること。あなたの両親が起こした奇跡。あなたはずっと「無」だった。宇宙が生まれて137億年間「無」だった。それに比べて人生80年は花火のようなまばたきの瞬間。もともと「無」だった。生きることに、失うものなんて何もない。
死に対してちょっと楽になった気がする。
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