1016 50代から始める知的生活術 外山滋比古
図書館より。だいわ文庫。副題、「人生二毛作」の生き方。
久しぶりに著者の著作を読んでみたが、やはり氏は稀代の名文家である。日本語が美しい。ぎくしゃくがなく論理がすっと入ってくる。適度なユーモアも楽しい。ですます調の中に、終止形の描写がぴたりと決まる。実用書と肩肘張るよりも、卒寿を超えた日本の誇る文筆家のエッセイを楽しめることを喜びたい。
#年金制度が頼りになったのは、人が七十歳くらいで亡くなっていた時代です。八十歳、九十歳まで生きる時代になって、給付財源が枯渇しないわけはありません。
#若い時の友人関係は、もう賞味期限が切れています。賞味期限の切れたものは、捨てて、買い換えないといけないのです
#習慣は第二の天分なり(西洋のことわざ)
旧制中学時代寄宿舎生活をしていた。腹が減って我慢できないので車間が寝静まったのを待って調理場から米をくすねる話がおもしろい。釜がないので鉄瓶で炊き、おかずは近所の畑から失敬する、のだそうだ。
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