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1098 蘭陵王 田中芳樹

 図書館より。文藝春秋。

 6世紀、中国史で六朝と呼ばれる時代。北周の皇族、蘭陵王は美しい顔を隠すために鬼の面を着け、滅びつつある国を救うために戦いを続けた。
 著者の中国史ものは今ひとつ打率がわるく、『隋唐演義』のあまりのつまらなさに手控えていたのだが、これは名作である。序盤の、ヒロイン徐月琴と父親や蘭陵王との漫才がおかしい。中盤は登場人物が多すぎて覚えられないが影響はない。そして終盤、幼い皇帝はとち狂ってしまうのだが、そこからの蘭陵王の振る舞いが悲しくも美しい。

 『薬師寺涼子』の適当さ、『岳飛伝』の独りよがり、『アルスラーン』後半のぐだぐだを忘れさせるような筆の冴え。
 こんど『天竺熱風録』を図書館にリクエストしてみよう。

 死を決した蘭陵王に軍兵が『蘭陵王入陣曲』を斉唱するところで泣く。

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