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1144 困難な成熟 内田樹

 図書館より。夜間飛行。いや本当に「株式会社夜間飛行」なのだ。

 元々はメールマガジンの人生相談。「責任とは」「生きるとは」「教育とは」「組織とは」という大きな質問に、教養と抽象と個人的体験を織り交ぜて、物事の本質に辿り着く知的航海。

#ときどき「オンとオフときっぱり切り分けるのがオレ流」とかいうヤングエグゼクティブみたいな人(シャツの襟を立てて、日焼けしていて、やたらにでかい時計はめてるやつ)が男性誌に出てきますけれど、僕の経験ではそういうやつはだいたい「オンでもオフでもいつでも厭味な野郎」です。

#ローマ時代の「100人隊(cenruria)」
 これはtとrのタイポでしょう。センチュリアですね。

#動詞に「当為」と「願望」の助動詞をつけて話すのが「子ども」で、動詞に「可能」の助動詞をつけて話すのが「大人」である。
 うおお、これは戦慄すべき名言。

#合格が決まった人とはもう特に話すことがないので、はやく面接を打ち切ろうとする。逆に採用しないことが決まった人は、これからも「弊社の顧客」として末永く製品をご愛用していただきたいので、「落ちちゃったけど、感じのいい会社だったよ」という印象を持って去っていただくべく、ていねいな対応をする。
#ですから、「面接ではすごく話が弾んだんだけど、なんで落ちちゃったんだろう……」と訝しげに語る就活生がよくいますけれど、「話が弾んだ」のは先方のサービスなんです。
 あはは。

#そもそも研究者の倫理が劣化したのは、「研究者の寿命」を短めに設定して、その期間内に見るべき成果を挙げなければペナルティを課すというルールを文科省が導入したせいです。
 文の中身も決定的だが、「文科省が」「導入した」という主語と動詞の置き方を見習いたい。

#人間が不機嫌なとき、暗い気持ちのときに下した判断は、だいたい間違っている。(名越康文)

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