1168 なぜ蚊は人を襲うのか 嘉糠洋陸
図書館より。岩波科学ライブラリー。
元獣医で世界中で蚊を捕まえる最前線の研究者が、ユーモラスな筆致で書いた本。珍しい名前だが業者には伝票に「蚊糠」と書かれることもあるようで、持ちネタとして使っているに違いない。この科学ライブラリーに共通していることだが、研究対象への愛情がすべてのページから発散している。
もう一つ感じたこと。生物学や医学は、いずれ、最後は遺伝子なのだなあ。
*R0; 一人の患者が新に何人の人間に病気をうつせるかを表す数字(0は下数字)
*毎冬に流行する季節性インフルエンザでは1.3程度、2009年の新型インフルエンザでは1.4~1.6と推定されています。(略)しかし教室での人口密度が高い学校などでは、この数字が2.4に上昇します。
*麻疹(はしか)のR0は9~17
*ITN; 繊維にピレスロイド系殺虫剤を塗り込んだ長期残効型の蚊帳 吸血を阻止するだけではなく、寄ってきた蚊を殺すという一石二鳥の優れもの
*しかし西アフリカで行われたある数十万帳のITN大規模配布事業では、蚊帳が魚を捕るための投網として使われたケースや、貨幣価値を持って物々交換の品となった事例が見つかりました。
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