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1185 英語の語源探訪 織田哲司

 図書館より。大修館書店。副題、ことばと民族の歴史を訪ねて。

 著者はこの夏亡くなった渡部昇一のお弟子さん。らしくドイツ語や印欧祖語を徹底的に調べ、オノマトペ理論を元に、今まで語源が不明だった言葉に新しい仮説を打ち出していく。感動的だ。かの学派の人らしく、重厚な教養と哲学に裏打ちされたところに人間の芳醇ささえ感じさせる。

*イギリスと日本は大陸の端の島国で似ているところもあるが、距離が違う。ドーバー・カレー間は34キロだが、対馬海峡は200キロもある。だからイギリスは異民族の攻撃を何度も受けた。

*印欧祖語*kers-走る; car, chariot, courier飛脚, course, corridor, current, occur, excursion, carpenter(荷車を作る人)
*カーはシャーになり、車になった

*Koeln(正しくはoウムラウト);  Colonia植民地

*wade; オランダ語のwadは「ぬかるみ、泥」 wadeは「水の中を歩いて進む」。
 長靴がつながった防水服のウェーダーってこれか!

*rightの語源の*reg-は「まっすぐな」。そこから「正しい」が生まれ、利き手側の「右」となり、「正しいこと」から「権利」が生まれた。
 なんて明快な!

*蜂蜜酒meadの語源は*medhu-。それが漢字文化圏で「蜜」になった。

*wiki wikiとはハワイ語で「速い、速い」

*newsはフランス語のnovelesをそのまま英語に訳したもの。noveltyも見える。東西南北のイニシャルは民間語源で、事実ではない。

*二重語(ダブレット); hotelとhostelは元は同じだが、綴の異なる違う時代に英語に入ってきた。

**wert-から「くるっと回る」というwentが生まれたが、goの過去形eodeが廃れて代わりに使われるようになった。
 なんで廃れたのだろう?

*大母音推移; lifeリーフ→ライフ houseフース→ハウス seaセー→シー moonモーン→ムーン

*メタテシス(音位転換); 新しい 山茶花 秋葉原 thrid→third

*aqua, argha(サンスクリット語の水), 閼伽棚
 有鹿神社もここから来ているようだ。

*kind; 同じ種族には親切にする。

*education; ex- ducere(ラテン語ドゥーケレ、「引く」)

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