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1199 星のかけらを採りにいく 矢野創

 図書館より。岩波ジュニア新書。副題、宇宙塵と小惑星探査。

 八年前に小惑星イトカワから砂を持って帰ってきた宇宙探査機はやぶさのスタッフであった矢野創さん。映画では山本耕史さんが演じたり、夫婦でアルゴリズムたいそうを踊ったりと、なかなかエッジの効いた人物である。当時のメールマガジンを見ると、俊英ぞろいの宇宙研においてひときわ輝く文才が目立っていた。
 巻頭を引用する。
#二〇一〇年六月一四日、私は南オーストラリアのウーメラ砂漠の赤茶けた大地に立ち、透明感のある日差しと穏やかな風を全身に感じていました。声を発しなければ、人間はおろか、他の動物や昆虫たちの鳴き声すら聞こえません。膝下ほどの高さの藪の葉が、風とともに擦れ合う音だけが、地平線に向かって広がっていきます。
 もう名文。
 読み進めば進むほどに著者の明哲さに圧倒される。

#小学校五年から、私は毎朝六kmの距離をジョギングしていました。
 六年生(中1かも)の夏休みに東海道五十三次を歩いた。

*「命」と呼ばれるための特徴は外界から自らを仕切る膜と、そこを往来する自由エネルギー(えさ、光合成など)があること、そして、「自ら同じ遺伝情報を再生産できること」です。

*1980年台に太陽系探査がにわかに盛んになったのは、76年に一度というハレー彗星の回帰があったからです。

#この映画(スパイ大作戦)が教えてくれることは、「不可能」とはしばしば、自然法則や技術力によってではなく、私達自身の想像力やコミュニケーションの貧しさ、信念の弱さによって規定されている、ということです。

#肩書や規則は目に見えるので分かりやすいですが、自分がなすべきことは己の心のなかにしかなく、目には見えません。

 ICUのロングインタビューを見つけた。これは素晴らしい。ぜひご一読いただきたい。書評が長くなるのはその本に心を動かされた証左だ。

#現代に生きる僕らは、世界で初めて地球一周に成功したマゼラン艦隊を知っているが、初めて地球一周に挑んだ船の名は知らない。

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