図書館より。亜紀書房。
この本はインド=ヨーロッパ語族に属する英語が、世界中に広がっていく姿を網羅するメーキングのドラマである。そこまでは類書も同じだが、この本の白眉は後半である。アフリカの英語、南半球の英語、中南米のクレオール、アジアの英語、どうやって調べたのというくらい調べ上げてある。
付箋を貼りまくりである。
左がノルマン・フレンチからの、右がセントラル(パリ周辺)・フレンチからの借入語である。
*catch-chase, convey-convoy, goal-jail, reward-regard, warrant-guarantee
15世紀英語で公文書が作られるようになり、その役所をチャンセリーといった。そこではチャンセリー体という書体、正書法、文法規則などが整理された。
right, high, knightなどのghは[c]の下に髭の付いた発音記号の音が、次第に落とされるようになったもの。昔はリーヒトのように言ったのかな。
*アメリカ英語やスコットランド、アイルランドのようにこのrを発音する訛りは、rhotic accentと呼ばれる。
*Eire, garda(警察官)はゲール語
*ウェールズ語の付加疑問は主語・動詞に合わせず一律isn't it? (is it?)
*buckarooはスペイン語に由来する
イギリス英語とアメリカ英語。
aubergine-eggplant, hoover-vacuum cleaner, kennell-doghouse, nappy-diaper, tap-faucet/spigot, tin-can
最高なのはこれだ。
地下道 subway-underground
地下鉄 underground-subway
*T Voicing; 有声音に挟まれ後にアクセントを置かれない母音の続くtはしばしば有声音[d][r]に近い音で発音される
*Yod Dropping; アメリカ英語では[ju:]から[j]が落ちる。チューズデイがテューズデイ、スチューデントがステューデント
*rhebok(動物)、trekはアフリカーンス語(元オランダ語)から
*mebosは梅干しのこと。江戸時代出島からオランダへ輸出された。
*long time no seeはインディアンのピジンを真似たもの
*母語話者がいないのがピジン英語、それで育っているのがクレオール
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