1312 発達障害を職場でささえる 宮木幸一
図書館より。東京大学出版会。副題、全員の本領発揮を目指すプレゼンティーズムという視点。
まずプレゼンティーズムとはなにか。出勤しているが、心身の健康問題により、能力が低下している状態のことである。
出勤しなければ能力が発揮できないのは当然のことである。これをアブセンティーズムという。アブセンティーズムは「欠勤何日」というように数値で記録できるが、プレゼンティーズムはわかりにくい。それを防ぐために、仕事を選んだり、対面ではなくアバターを介したり、不器用なら手書きでなくキーボードを使ったり、サングラスや耳栓を使うなど、様々な工夫をする。
この本のもう一つの核は2軸評価ツールである。これまでADHD(注意欠陥多動障害→注意欠如多動症)とASD(自閉症スペクトラム障害→自閉スペクトラム症)は併発しないものとされてきた。ところが医療従事者の実感は異なる。次のDSM-5では実感どおり、併発があることになった。そこで簡単な数十の質問から、ADHDとASDの2軸のグラフで評価するツールの日本語版を製作した。親切にQRコードもあるのだが、アクセスしてみると年会費が5,000円かかるようだ。ただその平面的な考え方は受け止めていこうと思う。
ADHDではノルアドレナリンやドーパミンといった神経伝達物質が不足している。これはトランスポーターという再取り込み口が過剰に働いて神経伝達物質を少なくしてしまうから。ストラテラはノルアドレナリンの再取り込みを阻害する。効果が出るまでに1~2周間かかる。コンサータはドーパミントランスポーターやノルアドレナリントランスポーターの働きを阻害する。即効性があるが、頭痛や吐き気、喉の渇き、動悸などの副作用がある。
*「後医は名医」; 後から診断する医師の方が情報が豊富で正しい診断がしやすい
*ローラ・ナッシュ カレイドスコープ戦略
*一つの尺度で人生を測定することはできない
*big four 四代要素
*Happiness 幸福感
*Achievement 達成感
*Significance よい影響力
*Legacy 未来への遺産
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