1317 羊と鋼の森 宮下奈都
職場より。文藝春秋。
健気なプロットも美しいが、何よりも触れる価値があるのはその一つ一つ丁寧に選ばれた言葉だ。外の天気を、調律師の手付きを、双子少女の演奏を、こんなにもきれいな言葉で紡ぐことができるのかと胸を打たれる。
エンディング近くの交際話の伏線はすっかり忘れていた(どうでもよかった)。
家族はピアノ弾きなので「映画に連れていきたいなあ」と思っていたらとっくの昔に終わっていた。
#音楽が始まる前からすでに音楽を聴いていた気がした。今このときにしか聴けない音楽。
この一文めに戦慄した。こんな表現、思いつかないよ。脱帽。
| 固定リンク
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 1571 そろそろタイムマシンで未来へ行けますか? 齊田興哉(2023.05.30)
- 1570 変わる日本語それでも変わらない日本語 塩田雄大(2023.05.26)
- 1569 目玉焼きの丸かじり 東海林さだお(2023.05.25)
- 1568 トキワ荘マンガミュージアム コロナ・ブックス編集部(2023.05.23)
- 1567 調べる技術 小林昌樹(2023.05.19)
コメント