1367 疲れすぎて眠れぬ夜のために 内田樹

　図書館より。角川書店。

　著者はこの本のテーマを「無理しちゃいけないよ」と「聞く」の二つだと解説している。一方的に決めつけず、情報を盲信せず、ゆったりとした気持ちで自分の体の声を聞く。

＃売春というのは厳密には「身体」を売るのではなく、「体を売るような人間である」という社会的評価を受ける代償に金を受け取るということです。

＃ほんらい政治家や官僚は、国家社会の危機的局面に際会したときに、卓越した判断を下したことによって歴史に名をとどめることを欲望するという「変わった欲望の持ち主」が担うべきなのです。

＃市場を活性化させる方法は今も昔も一つしかありません。考えれば誰にでも分かります。
＃それは、「みんなが同じものを欲望し、かつ欲望の対象が一定しないこと」です。

＃身も蓋もない言い方をすれば、人間は期待していたよりバカだったのです。
＃「もう制約をかけないから、これからは自分の好きな生き方をしてごらん」と言ったら、みんなお互いの顔色を窺い出して、お互いを真似始めたのです。