1141 QRコードの奇跡 小川進
図書館より。東洋経済新報社。副題、モノづくり集団の発想転換が革新を生んだ。
今では広告、キャンペーン応募、教科書にまでついている白黒交じりの正方形。その開発のドキュメンタリー。
トヨタでは部品を注文するときに必要な情報の載った「かんばん」を送る。初めはND(日本電装)コードという一次元バーコードであった。それでは情報量が足りず、2次元コードを開発することになる。
QRコードがほかのコードと大きく異なる部分は、三つの角にある黒い目玉のような模様である。これを「ファインダパターン」または「位置検出パターン」「切り出しシンボル」と呼ぶ。このファインダパターンを輪切りにすると、「黒1・白1・黒3・白・黒1」の割合になる。これが三つあるから上下左右が決まる。
QRコードにはエラー検出には3割の冗長性があり、3割までイラストなどに使うことができる。
特許は取得したが権利は主張しないことで、ほかの企業が思いもつかない使いみちを考案した。ケータイ電話に搭載し、urlに変換する。電車の窓にステッカーを貼り付け、ホームのカメラで読み取ることで、ホームドアのどこを開閉するか知らせる。飛行機の搭乗券に使われる。「飛行機の飛行時間を15分短縮することは困難だが、今まで搭乗30分前までに空港来なければいけなかったものが15分前でいいとすれば、結果として15分の短縮となる」という考え方は勉強になる。
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