1194 キャスターという仕事 国谷裕子
図書館より。岩波新書。
きっかけはお父さんにかかってきた一本の電話だった。「お宅には英語に堪能なお嬢さんがいらっしゃいましたよね?」
NHKはニュースの二ヶ国語放送を始めることになり、英語でニュースを読むアナウンサーを探していた。原稿を届ける雑用、英語アナウンサー、そして原稿の翻訳をさせてくださいと頼み込む。また衛星放送で「ワールドニュース」を始めることとなった。「私みたいな素人に」と遠慮すると「誰も聞いていないからいいよ。夜中の三時と五時だし」。ニューヨークから東京に移り全国区の「ニューストゥデー」を担当することになったが、帰国子女コンプレックスの「てにをは」を指摘されたり、自信なさげな態度に苦情が来たりと、キャスターからリポーターに格下げになり、さらに半年で降板となった。そこからジャーナリズムについて考え直し、再びキャスターという仕事をつかむ。
まったくこの本を読んでいると、「目の前のことに全力を尽くしていると、誰かが見てくれて、新しい道が拓ける」という教訓をしみじみ思う。
#暇ネタ
#報道の言葉は、新しい事実や、不確かなこと、不明瞭なものを明確に言い表すことが求められる。つまり新しい事象から新しいコンセプトを取り出し、新しい言葉を生み出さなければならないのだ。
*リッスンする力は大事だが、その人全体が発するメッセージを丁寧に聞く力、ヒアする力を見失ってはならないと(経済学者の内田義彦は)言っているのだ。
インタビューした西ドイツの元首相、シュミット氏は「あなたの言っていることが一言もわからない」と繰り返した。氏は、著者がいた方の右の耳が不自由だったのだ。自分の聞きたいことばかり聞こうとして、耳のことに気が付かない自分を恥じたのだ。
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