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1206 釣りキチ三平 5 コイ釣り編 矢口高雄

 図書館より。講談社漫画文庫。

 「三日月湖の野鯉」のみを収める。
 これは重要人物魚紳さんとの出会う重要な話である。おおらかな態度、釣りの技、最新技術への造詣、まったくの人物である。ただし見てくれはよくない。リライトされた表紙の魚紳さんはひげもなく鼻筋が通っているが、今回の魚紳さんはくわえ煙草に無精ひげ、一休さんの新右衛門さんのような割れあご。なんと言っても鼻が「┌||┐」あぐらをかいている。

 お話は駅に電車が停まっているところから始まる。「E」の字のようなカラーリングが懐かしい。(付記:?)
 いつもより筆が滑り三平が地元の愛子ねえさんに憧れてユリッペが嫉妬する三角関係が目立つ。偶然にも三平とユリッペが接吻をしてしまう。
「ベチュー」
「ムング~ン」
「あぶじゅ~っ」
 ドス
 ゴキッ
「ギャヒッ」
 ムード一切なし。しかもこのあと三平は「愛子ねえちゃ~ん」と木に抱きつく。最低である。

 釣り大会でボウズだった三平はこう言う。
#おめえのために釣れなかったんじゃねえだ‥‥
#腕だよ腕‥‥
 ポン
#おらがヘタクソだからだ そうにきまってるて‥‥

 目をつむり、右手で「ポン」と左の二の腕を叩いた。この仕草でこのツイートを思い出す。

矢口高雄先生からいただいた言葉をここに置いておきます。僕にとっては宝だし、おそらく誰かにとっても宝物になるでしょう。釣りキチ三平の映画化記念の対談後のことです。映画のデジタル技術での自然美、魚の躍動感の再現に矢口さんはとても感心されていて、その時聞いてみました「漫画の原稿もデジタル技術は素晴らしいです、アナログでは太刀打ちできなくなる日が来るかもしれません」という僕の問いに、「いいかい森川君」と前置きを入れ自分の右手の手首から肘の間をポンポンと軽く叩き、ニコニコしながらこう答えてくれました。「日本の四季は日本の絵の具でしか表現できないよ」

 マガジンの後輩、『はじめの一歩』の森川ジョージ先生の台詞である。

#ほんじゃごゆっくりしてね バハハーイ

 あった、バハハーイ。バハハーイの語源はなんだろう。

#愛子ねえちゃん あいつの顔がチャーミングならサルもブタもチャーミングちゅうことになるだ さしずめユリッペは三日もたったくされごはんでつくったチャーハンみてえなツラよオ‥‥ 朝寝っこきの夜ふかしのおせっかい屋のでしゃばり屋の便秘症‥‥ どうしようもねえやつよハハハ‥‥

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