1202 忘れがたき日々 ジョナサン・コット
図書館より。岩波書店。訳・栩木玲子(とちぎ・れいこ)。副題、ジョン・レノン、オノ・ヨーコと過ごして。
筆者は二人の友人であり、音楽雑誌『ローリングストーン』の編集者でもあった。二人の言葉を注意深く、そしてビートルズの歌詞を的確に当てはめながら残している。
読んでいて感じるのは死の足音である。ベトナム戦争。ヨーコが体験した太平洋戦争。そしてジョン。この本の半分はジョンが撃たれる三日前のロング・インタビューなのである。
#僕たちにとっての「ダブル・ファンタジー」は、二人が同じ時間に同じイメージを思い浮かべることが大切、という意味なんだよ
#ジョージは乗り気じゃなかったし、リンゴはこんなことをやる意味が分からないと言い出した。
ルーフトップ・コンサート。リンゴは"Hold on!"と鼻をかんでいる。
#今このドアからふらりと外に出てレストランに入っていける。それがどれだけすごいことか分かるかい?
プライベートのまったくないイギリスを出て、束縛のないニューヨークの暮らしを気に入っている。
#「ガール」の大人ヴァージョンが「ウーマン」さ
*古代エジプトの神話では空を表すのは女神ナットで、大地を表すのはネプという男神
*母は空から/父は大地から生まれた
「空」というワードが何度も繰り返される。マーマレードの空。ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ。
育ちのよかったヨーコは戦争のとき疎開して地元の人と馴染めず、寝転がって空ばかり見ていたと言う。
#「ジョンは「コールド・ターキー」で痛切に叫びます。「未来が見えない/空が見えない」と。まるで空が見えないのは、深い落ち込みの原因であり、またその目安であるかのように」
#「ええ、空は一種の治癒のようなものだと思うわ」
93ページに幼少期のヨーコの写真がある。ぱっちり開いたきれいな目をしている。
この本を読む前は、オノ・ヨーコはビートルズを解散させる引き金を引いた女と思っていたのだが、今では母を求めていたジョンの母親であり恋人だと思うようになった。
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