1253 どこまでやるか、町内会 紙屋高雪
図書館より。ポプラ新書。
栃木県で町内会をやめた八世帯がごみ集積場の使用を禁じられ、街灯を止められるという出来事があった。ごみの収集は自治体の義務である。
町内会は任意団体であるのに押し付けられる仕事が多すぎる。高齢化で引き受け手がいない。だから著者は既存の町内会を一度おじゃんにして「ミニマム町内会」を立ち上げた。イベントはできる人が集まる。それで足りない場合はそもそもその事業を見直す。掃除やパトロールなどの仕事を押し付けられても「こういう形ではどうですか」と逆に提案する。
#PTAは負担を公平にするためにポイント制を導入しているところがあります。やりたくない仕事でもちゃんと同じようにやったかどうかを点数化して比べられるようにするためです。町内会や地域活動でもこれを持ち込む傾向が出始めています。参加しない人、仕事をしない人を可視化して追い込むための、実にさびしい制度です。
#アルバート・オットー・ハーシュマンという経済学者は組織が失敗から回復する手立てとして、「発言=ボイス(Voice)」と「離脱=イグジット(Exit)」の2つがあることを示しました。
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