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1264 百姓から見た戦国大名 黒田基樹

 図書館より。ちくま新書。

 戦国時代は大名と大名がしのぎを削っていた時代、というのが一般的な認識だろう。ところが本書によると、村と村が土地や水源を巡って、武装して戦っていたというのだ。買った方は負けた方に責任者の犠牲を求めた。物騒な世界である。農民はただ大名に従っていたわけではない。気に入らないことがあると逃げてしまう。たしかに逃散(ちょうさん)という言葉を日本史で習った。
 大名は自分の領地を「家中」とし、その中では村同士の紛争を起こさないという掟を作った。分国法である。庶民が求めていたものは平和。天下統一とは戦争をしない領地を拡大させていったプロセスである。

 また、これまで楽市とは、同業者組合を廃した自由な市場、とされてきた。筆者の説は違う。
#楽市とは、大名が、宿町や市における「楽」(平和)を実現し、保証することを示すものであり、これまでに見てきたような宿町において生じた紛争に、大名が最終的な平和の実現を担うことを示すのである。

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