1284 重症児者の防災ハンドブック 田中総一郎・菅井裕行・武山裕一
図書館より。クリエイツかもがわ。副題、3.11を生きぬいた重い障害のある子どもたち。
副題にはそうあるが、生き抜くことが出来なかった子供も触れられている。合掌。
同じシリーズの「障害児の防災」では特別支援学校が緊急的に避難所になり、今後もその備えをすべし、という話であった。今回は生きるか死ぬかの話である。気管挿管で人工呼吸器を手放せない子供。胃ろうの子供。3.11の午前中に袴をはいて卒業式に出て、その晩はたまたま空いていたハローワークの駐車場でクルマのバッテリーで吸引器を動かして命をつないだ子供。
#六日目の夜になり停電が復旧しました。待ちに待ったその瞬間を病棟で子どもたちと一緒に迎えました。暗い廊下と室内に明かりが広がり、拍手が聞こえました。
#私自身もかつて養護学校教員だった経験があり、養護学校教員の多くが醸し出す独特の活力をよく知っています。子どもたちをもり立て、楽しい雰囲気を作ることを仕事にする者が、知らず知らずのうちに身につける表情や身のこなしがあります。それが、そこにはほとんど見られませんでした。
四月初旬、石巻支援学校。
#「もうパンはたくさん」
#味気ない食事に飽きる頃、地域の方々や支援団体から差し入れられる果物や甘味な菓子類がどれほど気持ちを和らげるか、避難所の方々の表情をみていると手に取るようにわかりました。
#自家発電機を所有していれば、最低限の電源は確保できます。一台備えておくことを今回の震災経験上、強くおすすめします。
#*発電機や車載インバーターは「医療機器には使用しないでください」と記載してあります。発電機や車載インバーターを使用する際には、充分、考慮して使用してください。
この矛盾した二つの文の重みが伝わるだろうか。
#外部支援者のコーディネーション
#たとえば「事業所の場所はどこですか? 今、近くにいると思うのですが」という問い合わせが一日に何度も入りました。そのつどスタッフは電話の子機を持って「えーっと、郵便局とか近くにありませんかねぇ?」というやり取りをしながら外に飛び出すことになります。
このような仕事を医療者や福祉関係者にさせてはいけない。外部からの連絡を一手に引き受けるコーディネーターが必要になる。
#これは、大災害時には遠くの親戚や医療機関よりは、隣近所の方の助けが必要だということを示しています。勇気を出して町内会の避難訓練に参加してみませんか。
自分の子供の障害の特性を日頃から隣近所に理解してもらうということ。
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