1311 僕たちのゲーム史 さやわか
図書館より。星海社新書。
決して僕たちがプレイしてきた有名ゲームの通史ではない。小説や映画と違い、ゲームの本質とは何か。著者は「ボタンを押すと反応する」というインタラクティブ性であると喝破する。また日本のゲームが追い続けてきた問は何か。それは用意された物語性の有無である(反対語は自由度)。例えばファイナルファンタジー2は「Aボタンを押すだけで勝手に物語が進む」と鈴木みそに批判される。RPGブームの中一人だけ反対意見を述べたみその覚悟よ。
ソフトかハードかの考え方の違いも面白い。任天堂は高性能なニンテンドウ64で成功しなかった。ディスクシステムも「ロード時間が長い」と批判され、カセットから脱却できなくなった。一方PCエンジンやプレステはCDを使った。
#日本人たちが技術の話ばかりして、新世代機がどうのこうのと騒いでいるのはすごく危険だと思う。逆に「俺はゲームボーイで最高の作品を作ってやる」みたいな人のほうが、ひょっとしたら新しい技術を与えられたときに非常にいいものを作るかもしれない。
発言者は宮本茂さん。「みたいな人」は田尻智さんがそうなった。
#メディアというのは、原則的にクリエーターがユーザーへ向けて情報を提供する一方通行のものだ。しかし、ゲームを“遊びのための道具”としてとらえれば、その意味は変わってくる。
コミュニケーション・ツールとしての道具。ポケモンのことだ。
#僕はゲームの本質を、狭い固定された現実の世界を離れ、別の自分、別の人生を体験することだと思っているんですが、「ハビタット」なんかで遊んだら、自分が二つの違った生活を営んでいるという快感がきっと得られるでしょうね。
堀井雄二。
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