1310 マタギ 矢口高雄
図書館より。山と渓谷社ヤマケイ文庫。
『釣りキチ三平』と『バチヘビ』と並ぶ代表作。「野いちご落とし」「怜悧の果て」を含む九編を収める。
のちに『三平』に登場した阿仁の三四郎が主役だが、仙北や鳥海のマタギも登場する連作になっている。
マタギの姿を描くと言うよりはマタギを元にしたフィクションだが、それが漫画らしい。イタズ(クマ)を温泉に入れたり、神の声を聞いて獲物の居場所がわかるようになったり。自然の美しさは第一級。野生動物が様々なポーズで動く姿を描ける漫画家は例を見ない。
#絶えずトップクラスにランクされ、大きなドラマを構築していたのにも拘らず、それをくずすことなく筆を留めなければならないというのは、女間に入って果てなかった以上の無念さであった。
今となっては女性に対する見方が叩かれるところはあるが、それが当時の、田舎の価値観だったのだ。
#寝座(冬眠穴)
「座」は「くら」と読み、古い言葉で場所を表す。これが「ねぐら」の語源か。
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