1312 鼻 杜子春 芥川龍之介・井上マサト
図書館より。金の星社、まんが日本の文学。
今風のさわやかタッチで大正文学をコミカライズ。言葉遣いは現代風に直されているが、地の文を台詞にしたり絵で表したりと原典を尊重しているのがよい。
鼻を板で持ち上げたりお盆の穴に通したりするのを絵にするとさらにおかしい。熱を持った鼻をうやうやしく抱くところなんて最高である。ただ「要は自分の気の持ちようなのだ」と結論を出してしまうのは安易。芥川が言いたかったのはそこではなく、他人の勝手さではなかったか。
杜子春はラスト、道士が住まいを勧めてから三ページ、一切台詞がないのがよい。道士が去って杜子春の「人間らしい正直な暮らし」をするという決意が伝わってくる。この余裕は書き下ろしのいいところであろう。
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