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1318 学校図書館ビフォー・アフター物語 五十嵐絹子

 図書館より。国土社。副題、図書館活用教育の全国展開を願って。

 著者は学校司書を四十年務めたあと、支援員として鶴岡市の小中学校の図書館を文字通り建て替えた。書架を替え、図書を入れ替える。夏休みを利用して、職員全員で本の引っ越しをする。分類も改める。ブックトークを児童にもできるようにする。テプラを直接はらずビニルテープに貼るなんて小技もたくさん(はがしたとき汚くなる)。「図書館活用教育」とはある校長が名付けてくれた。

#それでも「えいっ」と気合を入れ、不自然な笑顔で自習監督の先生に近づいていきます。顔がまっ赤になるのを感じつつ、しどろもどろになりながらも、図書館で「読み聞かせ、させてください」とお願いしました。(学校司書・奥泉佳織)

#貸出無制限! 年2回、夏休み前日と冬休み前日に貸し出し無制限になります。この一日で900冊あまりの貸し出しがありました。猛者は、一人で80冊くらい借りる生徒もいます。中には、家族からの要望を背に、「母さんと姉ちゃんが借りてって言ってたのが借りられた」と大喜びの生徒もいます。初めてこの貸し出し無制限をした日のことは忘れられません。校長もその日は、様子を見に来てくれていたのですが、どの子もどの子も、本当に嬉しそうなのです。(学校司書・実重和美)

#『読書センター』と『学習・情報センター』としての図書館の取り組みを紹介してきましたが、それぞれの役割が、それぞれ独立して機能しているわけではありません。『読書センター』と『学習・情報センター』は両輪であると言われています。読書センターとして図書館が動き出し、生徒が本や文章を読むことを厭わなくなったから、『学習・情報センター』として授業を行なっても生徒が主体的に図書館を利用し、学習の場としての図書館が機能するのです。また『学習・情報センター』として頻繁に利用してもらっているからこそ、なかなか図書館へ足の向かない生徒が授業の中で本と出会う機会にもなっています。豊かな読書は学習へと繋がり、学習が豊かな読書への足がかりになっていったのです。
 名言。どうでもいいけれど實重さんも「行なう」を使うのだ。

*『とっておきの道徳授業』日本標準; ネタ本

*一定期間マンガ・図鑑の貸出をストップさせる; 幼い頃からテレビやビデオ、ゲームなどの映像文化の中で育っている子は、ある程度矯正しないと文章と付き合おうとしません。担任した3年生の中には、作文を書かせると口語文の羅列で、文語文がなかなか出てこないという子もいました。その子はたくさんの本を借りていましたがいつも漫画ばかりでした。(司書教諭・佐藤京)

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