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1337 自ら学ぶ子ども 櫻井茂男

 図書館より。図書文化社。

 マズローの欲求五段階のトップにあるのは「自己実現欲求」である。それは生来あるものではなく、中学生ころに三つの欲求が組み合わさって生まれる。三つの欲求とは「知的好奇心」「有能さへの欲求(コンピテンス欲求)」「向社会的欲求」である。「向社会的欲求」とは「世の中で役に立ちたい」から「勉強のわからない友達を助けたい」まで様々なレベルがある。

 学者が退官してこれまでの研究をまとめて一般向けの本を作ろうとしたのだと思うが、一般には優しくない。肝心なところで「詳しくは○章で解説します(次の章)」。「詳しくは(研究者,2017)を見てください」は論文の書き方。本だったら「書名」を紹介すればいい。現場の経験は少ないようで「小学生がテコの法則に夢中になった話」ばかり何度も出てくる。
 やたら図書文化社のNRTやCRTをヨイショするのも変な気分になる。

 断片的には貴重なフレーズが多くある。
*概念的葛藤; 例えば一般的なサルのイメージと合致しないサルの話をすると、子供はサルに興味を持つ。
 平たく言えば、ゴールデンタマリンやメガネザルなど珍しいサルがいいのだ。

*自己強化; 親や教師に褒められなくても、よい成績が取れたときには自分を褒め、悪い成績を取ったときには反省し自分を激励することができる。メタ認知能力の一つ。

*親との親密さが高いほど、また親の学業への価値観が高いと子どもが思うほど、子どもの自己実現のための学習意欲は高くなりました。
 親が「勉強しても世の中に出たら役に立たない」と言っていると子供は駄目になる。

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