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1358 1冊でわかる村上春樹 村上春樹を読み解く会

 図書館より。KADOKAWA。神山睦美・監修。

 『1Q84』『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』までのすべての長編の図式化を軸に、主な短編の解説、翻訳、影響を与えた作家など、あらゆる角度から村上春樹を分析する。『世界の終わり』はデタッチメント時代の最高峰、村上春樹はドストエフスキーのような総合小説(多彩な登場人物が多彩な物語を演じ、一つの筋に修練する形式)を書くために一人称から三人称に替えた、など納得の分析ばかりである。また、村上春樹は読者に前向きなメッセージを送っているという明るい見地に立っている。

#大きい月は天吾、小さい月は「1Q84」に突然運び込まれた青豆を表しているのだろう。

#つまり、小説というのが、現実と違うのは、自分にとって最も気にかかることを、最後まで抱える続ける人間が登場するということなのです。
 ワタナベ君は直子の死が自分を捉えているということを抱え続ける。天吾と青豆は遠い記憶の中のお互いを求め続ける。

#あまりに長い年月が過ぎていたので直接の続編は断念し、そのイメージを緩やかに引き継いで『海辺のカフカ』を書いた。
 村上春樹は『世界の終わり』の森をもう一度書きたいと思った。『街と、その不確かな壁』から数えて三回も書きたいと思ったのだ。

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