1394 「カムカムエヴリバディ」の平川唯一 平川洌
図書館より。PHP文庫。副題、戦後日本をラジオ英語で明るくした人。お名前は「きよし」と読む。
戦後、「証城寺の狸囃子」の節で「カム、カム、エヴリバディ」と歌うラジオ英会話番組があった。その「カムカム先生」の人生を息子が膨大な資料に支えられて書き下ろす。
農作業に縛り付けられるが、どの家もそうだから、と耐える少年時代。アメリカに出稼ぎに出た父を追ってアメリカの教育を受ける。アラスカの缶詰工場で働いたり、高校でスピーチ大会の決勝に残ったり。演劇を学び、美しい英語の発音と作劇法を身に付ける。決めたことはやり通す、強い意志がある。
平川唯一は日本に英語教育をもたらしただけではなく、明るさや民主主義を届けてくれたのだ。
#戦後の虚脱状態の真っ只中で、『リンゴの唄』というなんとも言えない感傷的で退廃的な歌がはやっていました。そんな空気をなんとか明朗にしたい。
#So, will you be kind enough to say a few words to them?
ゲストからリスナーに一言お願いします、の表現。
#ソニーの創業者、井深大氏はこう言っています。
#「日本に民主主義を運んできたのは平川唯一さんだ」
著者は父から演劇の発声法を教えてもらった。
#家で私がスピーチをすると、そばにあったピアノの弦が振動していました。
#頭がよくなくてもかまわない。不器用でもかまわない。そんなことは人生には何も関係がない。大切なことは、一歩ずつ努力をしながら、前を向いて歩いていくこと、いまが苦しくても、歩いていれば必ず道は開けてくる。立ちどまらずに、しっかりと前を向いて歩いていくこと
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