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1392 俳句入門作句のチャンス 鍵和田秞子

 図書館より。本阿弥書店。新装版。

 著者は中村草田男の弟子。国語の先生として江戸時代を研究しているうちに俳句を読むようになった。『俳壇』の連載をまとめ、一度絶版になったが、入試に出題されたので新装版として再び世に出た。

 「風景を読む」「動物を読む」「吟行に出る」などテーマ別に、佳吟が出やすい場面、そうでない場面を解説する。また歴史的な秀吟を挙げ、なぜそれがよいのかも紹介する。

 「説明でなく描写」「三段切れにしない」「動詞はなるべく一つ」など助言が明確で、入門者にはありがたい。

#風景句では、遠近法や高低などの距離感を生かして、大きな空間をイメージさせることが、特に大切なのである。

#日本がここに集まる初詣 山口誓子

#満月の空へ満塁ホームラン 能仁雀夢

 草田男といえば「万緑の中や吾子の歯生え初むる」のように家族愛の俳句に優れる。しかしその数ページ後に「私の家には子供が居ない」として次の句を並べる。
#身のどこか子を欲りつづけ青葉風
#花柘榴子を生さで愛づ般若面
 欲り=ほり 花柘榴=はなざくろ

 さらに。
#子への愛知らず金魚に麩をうかす
#春雪に呼ぶ子を持たず立ち眺む
 桂信子の二句が響く。

 添削実例も圧倒的。
#原句 父逝きて形見となりし夏帽子

#説明しない。感動をしっかり伝える。

#添削 夏帽子父の形見となりにけり

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