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1395 ビジュアル音声学 川原繁人

 図書館より。三省堂。

 アメリカ帰りの新進気鋭の学者が、最新の音声学の教科書づくりに挑んだ野心的な一冊。文中何度も「丸暗記せず、前に戻りながら理解してほしい」と思いを伝える(そういう学生が多かったのだろうなあ)。おなじみのMRIや超音波に加えてEGGやEPG、EMA、ナゾメーターなど怪しい器具も登場する。三角関数、指数関数、フーリエ変換(名前だけ)など理系の知識も必要でこれについて来る学生は大したものである。

*IPAを打つ; http://westontuter.github.io/ipa-chart/keyboard/
【付記】メモしたはずだが、動かない。後日検証。
 代わりにこちら

*音を出さなくても手軽に調音点を感じられる方法がある。(ある音を)発音する口の形をして息を吸い込んでみると、冷たくなる部分があるだろう。狭めが起こっているのはその冷たくなる部分である。

「燃えあがれ」の「が」は[*ŋa]と発音され、「ガンダム」の「ガ」は[ga]と発音されていて違いがよく分かる
 「*」のあとのロングエヌは表示されているだろうか。鼻濁音。池田鴻(こう)さんの発音がすばらしいということである(故人なの!?)。

#東京方言では、「雨」と「飴」のように、同じ音でも音の高さによって意味が異なることがある。このような違いを「(ピッチ)アクセントの違い」と言う。一般には「イントネーションの違い」と表現されることもあるが、専門的には、イントネーションは分レベルの音の高さの変化のパターンを示す用語である。

 [t]と[d]を比べると、[d]の方が短く、破裂も弱くなる。なぜか。
*これは口腔内気圧の上昇が[d]より[t]の方が大きいためである。有声阻害音の聴音中は、口腔内気圧が高まると声帯振動が止まってしまうため、口腔内気圧をそこまで高めることができず、破裂が弱くなる。

*知覚バイアス「ギャノン効果」; [k]と[g]の中間の音を作成し、iftという音とissという音の前に置いたところ、issの前で[k]と知覚される確率が上がった。「私たちはある音の知覚が定かでない場合、その音を、知っている単語の一部であるかのように解釈する」

*マガーク効果; 「が」と発音している人の顔を見ながら「ば」という音を聞くと、「だ」に聞こえてしまう
*両唇を閉じていない口から「ば」という音が発せられると、聴者は両唇音とは近くできず、かつ「ば」の音が音響的には「が」からあまりに遠いため、結果として中間の「だ」だと知覚してしまう。

#Hardcastle, W. J.
 そういうお名前は実在するのですね

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