1398 ニュースの未来 石戸諭
図書館より。光文社新書。
毎日新聞で鍛えられ、バズフィードに引き抜かれたジャーナリストが、マスメディアからネットメディアに軸足を動かしつつある業界を語る。
著者は毎日の岡山支局でよい先輩に巡り合ったので、ネットニュースは人数が少ないこともあり、若手を鍛える場面がないと嘆く。
ヤフーニュースの「ヤフトピ」に選ばれるかどうかにしのぎを削る話がいい。記事の終わりに五本だけ付けられる関連記事から自分のサイトに誘導できるかどうかが勝負なのだ。
#警察も裁判所も“揉め事”が集まってくる場所なの。揉め事っていうのは人の興味や関心を集めることなのね。
*山根さんは、自分が面白くないネタなら見切りをつけて最低限の労力でいい、その代わりにおもしろいと思うものは全力で書けばいいとよく言っていました。それは毎日新聞らしい発想でした。全国紙の中でも部数が少ない毎日新聞記者は、朝自信分野読売新聞が3、4人で取材しているものを1人か2人でこなさないといけない。
#新聞は伝統的に培われてきた書き方やルールがあります。名前には敬称をつける、「○県△市、職業、名前(年齢)」といった表記の大原則もきちんと決まっています。いわゆる逆三角形と言って、大事な情報や場面を最初に詰め込み、後のほうは削られてもいいように、という考えも根強く残っています。
#デイヴィッド・ハルバースタムは「公式的な記述」、日本語に即して言い換えるならば当局の発表に基づく記事の書き方や当局の発表を「正しいもの」として捉え、「いかに間違わないか」に腐心する新聞では「今」を描けないと考えていたのです。
*三大基本形; 速報 分析 物語
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