1430 教室DXで「未来の教室」を作ろう 浅野大介
図書館より。学陽書房。副題、GIGAスクール構想で「学校」は生まれ変われるか。
GIGAスクール構想とは小中学校で子供に一人一台のタブレット型パソコンを使わせる政策。その実働部隊の隊長が著者である。それは実現された。
数年前に「高校の普通科を廃し総合学科に」という話があった。そちらのほうが大きい。今の普通科は「中学校の二週目でしかない」と切って捨てる。ではどのような教育を目指しているのかというと探究型の授業である。実技教科や総合がメインで、これまでの五教科は「必要になったら学ぶ」程度の存在になるのだ。それもスタディサプリや「すらら」「Qubena(キュビナ)」、DMM英会話などで学ぶのだ。
どこから現在の教育を切り崩そうとしているかというと、不登校生徒のための教室である。ここでは自由なカリキュラムのもとに実験的な教育がなされている。
ちょっとこの動きには注目している。
#経済産業省という役所は「日本人や日本社会が地球上でサバイバルするために必要な課題解決を、所掌は気にせずに片っ端から仕掛けに行く組織」です。
#旧・通商産業省時代から脈々と「提案の実現のDNA」が受け継がれる、珍しいタイプの官僚組織です。
#私がよく「教育の悪い面」がそのまま世の中に出ているなと思うのは、私たちは「ルール」や「慣習」がおかしくてもそれを自分たちから変えていこうとはなかなかしないこと。
#麹町中ってスマホ利用のルールはどうなんでしたっけ?
#スマホは正式にはオッケーしてないけど、みんな出すので。もちろん、授業中に遊ぶ子もたまに出現しますよ。
#麹町中はわからないことがあればスマホで調べればいいじゃんって。「ちょっとスマホで調べて」って教員が言ってもおかしくない雰囲気なんです。
工藤勇一、元・麹町中学校校長。
#先生や保護者や生徒全員が「学校って、要は〇〇できていればいい場所だよね」という最上位目標にコミットする「組織文化」がある状態といえるでしょう。要は「最上位目標に近づくなら、やり方は各自に任せよう、成果は学習ログで確認して個別にフォローしよう」という心構えでいられる学校です。
#現在でも教育確保法でオルタナティブ・スクール等への出席日数は校長の裁量で所属の公立学校の出席日数にカウントすることになっています。
タブレットを保管庫に仕舞っていたら教育改革はできない。問題は充電だ。
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